
医療法人設立の留意点
医療法人を設立することにより、個人診療所は廃止され、設立された医療法人が独立した事業主体となり、事業上生じた権利義務は全て医療法人に帰属することになります。
したがって、医業収入は医療法人の収入となり、経営者である理事長は法人から給与をもらうことになります。
また、医療法人の運営方針や役員変更、予算・決算などの重要事項は社員総会で決定され、定款に基づく法人運営がなされます。
営利性(利益分配)の否定
剰余金の配当禁止
医療法人は、営利性が否定されていますので、剰余金の配当が禁止されています(医療法54条)。したがって、利益が出た場合でも、出資者に対して利益の配当はされません。
また、理事などへの賞与や貸付金等も「利益の分配」とみなされるため制限されています。
剰余金は医療充実のための設備投資や退職慰労金の原資となります。
特別の利益供与の禁止
不必要な住居の提供や個人として使用する車両の提供などは禁止されています。
もし、個人の資金繰りのために医療法人から借りた場合には利息を付けて返済しなければなりません。
残余財産の帰属制限
新たに医療法人を設立して、将来医療法人が解散した場合には、その残余財産は国・地方公共団体等に帰属することになりました。
交際費の損金算入の制限
個人経営の診療所の場合、事業に直接関係する交際費であれば全額損金とすることができます。
一方、医療法人の場合、資本金の額に応じて損金の額に算入できる金額には限度があります。
事務手続の増加
医療法人は、法律により必要な手続きを行わなければなりません。
設立後は、定期的に社員総会を開催、また必要に応じて社員総会・理事会を開催し、その都度議事録を作成し、毎会計年度終了後には、決算の届出・資産総額変更登記申請、並びに、登記完了の届出を行います。また、役員の任期は2年ですから、その都度役員の改選を行い、理事長が交代しないときでも理事長重任の登記申請および登記完了の届け出を行います。
定款の記載事項に変更があった場合には、都道府県知事へ申請して、その認可や許可を得なければならないなど、管理業務の負担が増加します。
提出された事業報告書等の内容は、一般の方に公開されます。
事務手続は増えますが、それ以上の設立メリットがありますので、事務手続を行政書士等専門家にアウトソーシングすることが効果的です。
社会保険加入の義務の発生
理事や職員など医療法人に従事している方が、健康保険や厚生年金等の被保険者に該当する場合には、社会保険に加入しなくてはならないため、医療法人の負担が増加します。
ただし、健康保険については、従来の医師(歯科医師)国民健康保険組合に加入し続けることができます。
医療法人解散は簡単ではありません
診療所の後継者がいない場合や節税効果が見込めなくなったので個人診療所に戻したい場合、医療法人の解散手続を行えばよいと思われます。
ところが、医療法人の解散は、医療法人の設立と同様に年数回の医療審議会の審議を経た上で認可を受け、その後、官報に公告を掲載し清算結了手続を終えて、やっと完了する非常に手間のかかる手続になります。
また、適切な解散の理由も必要になりますので、医療法人設立時よりずっと大変な手続になります。
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