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医療法人における生命保険の活用

将来の退職慰労金の準備のために、または、万一のときのために、法人のオーナー経営者は、よく生命保険を利用されています。
これは法人として保険料を支払い損金化することで節税をしつつ、将来に備えているのです。

一人医師医療法人の理事長である院長先生も同じことです。
法人を設立したことによるメリットを活かすためにも、生命保険を上手に利用することが重要になると考えます。

残余財産の帰属先制限と生命保険

新たに社団医療法人を設立する場合、医療法人を解散して清算した後に残った財産(残余財産)の帰属先は、国、地方公共団体、医療法人その他の医療を提供する者であって厚生労働省令で定めるものから選定しなければならないことになります。
この残余財産の帰属先制限が、医療法人設立のデメリットであるとよくいわれています。

しかし、この残余財産の帰属先の問題は、必ずしもデメリットにはならないと考えています。
残余財産の帰属の問題について詳しく
つまり、毎年の役員報酬額の設定と役員退職時の退職金プランを緻密に設計して、残余財産を残さないようにすれば、残余財産の帰属先制限は問題になりません。

ところが、残余財産を残さないようにするために、毎年の役員報酬額を増額しすぎると個人の所得税率が高くなってしまいます。
そこで、役員報酬額を調整して、税率が低い将来の退職金財源にまわすようにするのです。
この退職金の準備方法として、以下のとおり、生命保険が重要な役割を担うことになります。

退職金と生命保険

退職金について

退職金は院長先生が医療法人から支給される最後の大切な財産です。
公的年金に加えて、ご勇退後のゆとりあるライフ・ステージを送るための大事な資金です。

医療法人では、理事長の退職金を損金に算入することができます。
個人診療所の場合、退職金を支払うことができませんが、医療法人では理事長ご自身の退職金を損金として計上できるというメリットがあります。
退職金支給額の目安はこちらを参照ください

退職金は、その他の所得にくらべて税法上優遇されています。
①退職金に対する課税は1/2になります。
 【計算式】退職所得の金額=(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2
②勤続年数に応じて「退職金所得控除」が認められています。
③退職金は原則として分離課税です。

理事長が亡くなられた場合、退職金は遺族が有効活用できる資金となります。
相続税の納税資金や相続人間の遺産分割調整、個人診療所時代から負担している理事長個人の債務の返済など、死亡退職金は貴重な資金となります。

上記のとおり、退職金は医療法人経営に尽くされた院長先生の功績を慰労するため、または、遺族のための税法上メリットがある資金です。上手に準備することがポイントになります。

法人化のメリット~退職金の損金算入について

退職金の準備としての生命保険の活用

医療法人の場合、退職金は損金として計上されます。そして、退職金支給時には多額の損金が発生し、支払い事業年度の利益だけでは吸収されず、繰越欠損金として処理されることになります。
この繰越欠損金が控除されるのは翌年以降の7年間ですが、7年も赤字決算が続くのは問題です。

そこで、貯蓄性のある生命保険を利用することで、退職金の準備とすることができます。
たとえば、長期平準定期保険を利用すると、万一の場合に死亡退職金として活用でき、さらに、ご勇退時の生存退職金の財源が計画的に確保することができます。
また、保険料は一定要件のもと1/2損金処理ができます。

退職金の支給は、医療法人設立のメリットですが、その財源確保のために計画的に生命保険を利用することをおすすめします。

生命保険のその他の活用法

生命保険はいろいろと活用することができます。
たとえば、上記でご紹介した長期平準定期保険を基本プランとして利用しつつ、さらなる節税&資金獲得手段として、逓増定期保険を利用する方法もあります。
ただし、この保険は、解約するタイミング等を間違うとそのメリットが活かせないので、保険の専門家によるコンサルティングを受けたほうがいいでしょう。

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