コラム Column
前回は個人診療所の承継でしたが、今回はA先生が理事長・管理者である医療法人診療所を息子のB先生が承継したケースをご紹介します。
B先生はA先生とともに、A先生が経営する医療法人診療所で勤務されていたのですが、A先生が亡くなられたので、B先生が後継者として理事長・管理者に就任することになりました。
本件は、A先生がお亡くなりになられて5日後に、B先生から当サイト経由でご依頼をいただきました。
前回のコラムにも記載しましたが、管理者交代の保健所手続は、事実発生日から10日以内に行う必要があり、時間がなかったことから、急いで書類を作成しB先生とお会いしました。
理事長・管理者交代に必要な手続を大別すると、診療所に関する手続と医療法人に関する手続の2つになります。
特に急ぐ、管理者交代は診療所手続になります。
診療所手続は他に、厚生局への保険医療機関の変更手続や生活保護指定医療機関など公的支援医療機関の変更手続などがあります。特定健診やがん検診、予防接種などの各種変更手続もあります。
B先生からヒアリングを行い、変更が必要な手続を洗い出し、漏れなく速やかに手続を行いました。
医療法人手続は、理事長の変更に伴う手続になります。
まず急いだのは、理事長の変更登記申請です。これが完了しないとできない手続もあるからです。
登記申請に必要な書類を作成して、提携する司法書士に申請を依頼し、こちらも速やかに変更することができました。
この登記申請の際に法人印の改印届も行います。印鑑を変更しない場合でも、その印鑑で登録されているのは前理事長ですから、新理事長へ登録を変更する必要があります。これらが完了すると、新理事長が記載された法人登記簿謄本(履歴事項全部証明書)と法人印の印鑑証明書の交付を受けることができます。
この謄本と証明書を使用して、法人銀行口座の名義人変更を行うことができますので、B先生に速やかに銀行手続を行っていただきました。
登記完了後には、医療法人の役員変更届や登記の完了届を行いました。
その他、亡くなられたA先生の保険医死亡届や医師免許証を返納して行う医籍登録抹消申請なども忘れずに行う必要があります。
以上、医療法人診療所を承継する際には数多くの手続を要し、かつ、速やかに進める必要がありますので、お困りのときはぜひ専門家にお声かけください。
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