医療法人の解散手続
医療法人の解散
医療法人制度の目的の一つは地域医療の永続性の確保ですので、安易な解散は認められず、法が定める解散理由ごとに必要な手続を行う必要があります。
その解散理由は医療法第55条に定められています。
医療法人の解散事由
- 定款をもって定めた解散事由の発生
- 目的たる業務の成功の不能
- 社員総会の決議(定款に別段の定めがない場合、総社員の4分の3以上の承諾必要)
- 他の医療法人との合併
- 社員の欠乏(※社員が一人もいなくなった場合です)
- 破産手続開始の決定
- 設立認可の取消し
- 理事長がご高齢になり後継者が見つからない場合や死亡した場合の解散は、上記3の社員総会決議による解散を行います。
- 上記2と3の事由による解散については、都道府県知事など認可庁の認可が必要になります。
認可が必要とされているのは、恣意的な解散を防ぐという趣旨からです。 - 上記1と5の事由による解散については、都道府県知事あてに解散届の提出が必要になります。
- 上記7の取消しは、医療法人設立後またはすべての病院等の休止・廃止後、1年以内に病院等を開設・再開しない場合(法第65条)や、医療法人が法令違反または法令に基づく知事の命令に違反した場合(法第66条)に適用されることがあります。
解散には時間と手間がかかります
当事務所が関与した解散案件のほとんどは、後継者不在に伴う社員総会決議による解散です。
この理由による解散は、医療法人設立時以上に時間がかかり、手続書類も多岐にわたります。
医療法人解散をご検討されているときは、お早めに専門の行政書士にご依頼ください。
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医療法人解散サポート
手間のかかる医療法人の解散手続を専門の行政書士がサポートいたします。
医療法人の現状を確認して、お見積書を提示しますので、お気軽にお問い合わせください。
解散認可後・解散届提出後の手続
医療法人の解散の認可が下りて解散認可書が交付された後、または解散届の届け出後、以下の手続を行う必要があります。
- 解散および清算人就任の登記の登記申請(法第43条)
- 合併及び破産手続きの開始の決定による解散の場合を除き、解散の登記をする必要があります(組合等登記令第7条)
- 医療法人解散登記完了届、清算人の就任登記届の届け出(医療法施行令第5条の12)
- 清算手続
- 2か月以内に3回以上の公告を官報に掲載します。(法第56条の8第1項、第4項)
- 清算結了の登記申請(法第43条第1項、組合等登記令第10条、第11条第3項)
- 清算結了届の届け出(法第56条の11、医療法施行令第5条の12)
残余財産の帰属先
残余財産とは、解散した医療法人がその債務を完済して、なお残っている財産(上記の清算手続を終えて残っている財産)のことをいいます。
- 持分のある医療法人の残余財産は定款に従い、出資額に応じて、または、出資額を限度として、分配されることになります。
- 持分のない医療法人の残余財産は、国、地方公共団体、医療法人その他の医療を提供する者であって厚生労働省令で定めるものから選定するものに帰属することになります。
医療法人を解散して清算するには、非常に多くの手続を要し、時間もかかります。
医療法人の解散を検討されているときは、お早めに専門の行政書士のサポート受けることをおすすめします。+ 医療法人解散サポート