医療機関廃止と覚醒剤原料の届出
コラム Column:2015年8月4日
医療機関廃止と覚醒剤原料の届出
病院、診療所及び薬局において、医薬品である覚せい剤原料を、医師、歯科医師等が施用のために交付する場合や薬局の薬剤師が医師の処方せんに基づき調剤した医薬品である覚せい剤原料を譲り渡す場合には、覚せい剤取締法で定める覚せい剤原料取扱者等の指定を受ける必要はありません。
このように指定を受ける必要がないことから、診療所や薬局を廃止する場合に注意を要します。
診療所や薬局を移転したり、個人から法人へ組織変更する場合は、診療所や薬局を廃止して、新たに診療所・薬局を開設することになります。
このとき、診療所・薬局を廃止した日から15日以内に、所管官庁へ「覚せい剤原料所有数量等報告書」を届け出る必要があるのです。
また、覚せい剤原料を取り扱っていない場合にあっても、覚せい剤原料を所持していないことを確認する必要があるので、その旨を報告する必要があります。
薬局の場合は、同じ薬務の所管官庁が窓口ですから、薬局廃止の届け出をする際には、覚せい剤原料の保有状況についても確認を受けますので、上記の届け出を怠ることはないと思います。
しかし、診療所の場合は、所管官庁が医務と薬務と異なりますので、その連携ができていないところでは、診療所廃止の届け出を行っても、特に覚せい剤原料の届け出の必要性について指摘してもらえず、届け出を怠ってしまうケースがあります。
したがいまして、特に医療機関を廃止されるときには、覚せい剤原料を取り扱っていない場合でも、保有していないことを届け出るよう、ご注意ください。